• 東京
  • グルメ

こだわりの店が集結!コーヒーの街・清澄白河でゆっくりとした1日を楽しもう

日本でカフェに行ったことはありますか?ベトナム出身・日本在住3年目の私は、来日したばかりの頃、日本のカフェはドトールやタリーズ、スターバックスなどのいつも混雑しているチェーン店しかなく、狭いスペースに小さなテーブルと椅子があるだけだと思っていました。しかし、実際は個人経営のおしゃれで落ち着くカフェがたくさんあります。そのようなカフェが多く集結している場所として近年注目されているのが、東京の清澄白河です。カフェが好きな私は、清澄白河に良い店がたくさんある理由を知る​ため、そしてコーヒーを味わうために清澄白河を訪れました。コーヒーの街・清澄白河を探索した私の1日間をぜひご覧ください!

tsunaguJapanライターお薦め観光コンテンツはこちら!

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれている場合があります。アフィリエイトリンクを経由して購入された場合、あなたからの追加費用なしで私たちはコミッションを得る可能性があります。

コーヒーとアートの街!清澄白河は昔はどんな街だった?

清澄白河は、江東区の隅田川近く、東東京に位置しています。清澄白河は、昔は「深川」と呼ばれる下町でした。コーヒーとアートの街として知られるようになる前、深川は寺院が集中していることで有名で、別名「深川寺町」とも呼ばれていました。現在、この地域には約70の寺院が残っています。

多くの寺院がある以外の特徴として、江戸時代の清澄白河には、大規模な都市開発のため木材、エネルギー源、日用品などの重要な資材を保管するため多くの倉庫が建てられました。当時、ここは物資の輸送と流通の中心地でした。戦後は、住宅と小さな町工場が混在する典型的な下町情緒のある街となりました。

なぜ現在の清澄白河には、たくさんのカフェが集まっているのか?

後に都市の再建が完了すると、これらの倉庫は徐々に役割を終えて使われなくなっていきました。しかし、1995年に開館した「東京都現代美術館」がその流れを変えました。美術館には作品などを保管するための大きな場所が必要です。そこで、天井が高く、柱が少なく、広いスペースがあるという倉庫の利点が活かされることになったのです。
東京都現代美術館の開館後、周辺には同じく倉庫をリノベーションしたギャラリーが増え、清澄白河にはさらにアート好きが集まるようになりました。このような流れを経て、清澄白河は「アートの街」として知られるようになったのです。また、現在ではアート系のギャラリーだけでなく、多くの倉庫がコーヒー焙煎所としても利用されています。この地域は多くの川が流れる好立地にあるため、ダクトを川側に向けることで近所に影響を与えずにコーヒーを焙煎することができます。

清澄白河にオープンした最古のコーヒーショップは2004年ですが、アメリカの有名コーヒーブランドである「ブルーボトルコーヒー」が2015年2月に清澄白河に日本初出店して以降(現在の名称は「清澄白河フラッグシップカフェ」)、カフェの数は爆発的に増加しました。この出来事はメディアの注目を集め、それ以来、清澄白河は「コーヒーの街」として徐々に有名になりました。清澄白河にコーヒー店やカフェがたくさんできた理由を知ったところで、コーヒーが飲みたくなってきたので実際に清澄白河行ってきました!

清澄白河の個性豊かなカフェとコーヒー専門店へ

fukadaso cafe:築50年のアパート兼倉庫がリノベーションされたカフェ

最初に立ち寄った場所は、「fukadaso cafe」という築50年のアパート兼倉庫がリノベーションされて誕生したカフェです。清澄白河の歴史について知った後、このカフェに興味を持ち、倉庫を改装したカフェは一体どんなところなのかを、実際に見たいと思って立ち寄りました。

fukadaso cafeは、清澄白河駅A3出口から徒歩約5分の場所にあります。駅から歩いていくと、外壁が白いトタンで覆われ、黄錆の染みが古い雰囲気を醸し出している倉庫のような建物が見えてきました。

今回、店主の佐藤さんにお話を聞くことができました。店主の佐藤さんによると、この建物は佐藤さんの祖父の深田さんが建てたそうです。現在のようなカフェになる前は、この2階建ての建物は1階が倉庫、2階が家族が来客時に宿泊できるアパートとして利用されていました。当初は建物全体を建て替えるつもりでしたが、改装業者に相談した結果、建物の古い雰囲気と元の外観の良さを維持するために、骨組みをそのままにエイジング加工してリノベーションすることになったそうです。

初めてここを訪れて一番印象的だったのは、fukadaso cafeの外観です。黄錆の染みのついたトタン壁の古びた佇まいは、この建物が清澄白河に長く関わってきた証だと感じました。店内は広々として風通しが良く、テーブルや椅子はレトロなデザインです。テーブルの中には古い箪笥を利用して作られたものもあり、最新鋭のものが集結している騒がしい東京ではなかなか見られない、ノスタルジックな異空間を演出しています。

当日に注文したブレンドコーヒーは甘めでコクがあり美味しかったです。チーズケーキはしっとりとして上質な味で、パンケーキのコクとバターの旨みがコーヒーの苦味と絶妙にマッチしていました。
メインのドリンクのコーヒーの他に、ブルーベリーパンケーキ、チーズケーキ、スコーンなどのデザートもあります。個人的には、店内のインテリアや雰囲気がとても気に入りました。コーヒを飲みながらくつろぐだけでなく、清澄白河の歴史や風情を感じることができるのもfukadaso cafeの魅力です。東京都内でノスタルジックなスタイルのお洒落なカフェと休憩スペースを探している人にとって、見逃せない場所ですよ。

アライズコーヒーロースターズ:15~20種類のコーヒー豆が味わえる専門店

次に向かったのは、お店で焙煎したコーヒー豆のドリップコーヒーを提供している「アライズコーヒーロースターズ」。コーヒー豆に対してとてもこだわりのある人気のコーヒー専門店です。アライズコーヒーロースターズは、fukadaso cafeから100m足らずの交差点にある小さなお店です。初めてこのお店を見たとき、そのコンパクトさに驚きました。店内の広さはわずか6坪程度で、大きな焙煎機と焙煎豆の並んだカウンター、4人がけのベンチと2つの小さな椅子があります。

店主の林さんは焙煎士として活躍しています。アライズコーヒーロースターズを始める前は、東京の山下コーヒーという焙煎卸会社で焙煎士として10年間働いた後、The Cream of the Crop Coffeeの立ち上げに携わり、コーヒー豆を煎りながら接客の仕事も担当していました。そして2013年に独立し、アライズコーヒーロースターズを開業しました。出店場所として清澄白河を選んだ理由について、林さんは「趣味のスケートボードがきっかけです。清澄白河はスケートボードでも走りやすい道が多く、店までスケートボードで通いやすい理想的な場所なんです。」と意外な理由を教えてくれました。そんな林さんは、このように清澄白河と関わり始めて22年になるそうです。

店内には、私が初めて体験した面白いことがたくさんありました。まず、この店ではハンドドリップコーヒーの1種類のみしかメニューがなく、店主とお客さんとの対話からメニューを決めるという珍しい注文方法になっています。お客さんは自分の好みを伝えながら、ドミニカ、コロンビア、ベトナム、フィリピンなど15~20種類のコーヒー豆の中から1つを選びます。初めてシングルオリジンのコーヒーを飲むのでどの豆を選べばいいのかわからないという人は、林さんに相談してみてはいかがでしょうか。私が自分の出身国であるベトナムのコーヒー豆ではなく、違うものを飲んでみたいと言ったところ、林さんはお店で定番のドミニカのコーヒー豆を提案してくれました。その豆で淹れられたドリップコーヒーを初めて飲みましたが、酸味も苦味も強くなくて飲みやすいまろやかなコーヒーでした。

次に驚いたのは、最初は少し狭くて窮屈な空間のように見えましたが、店内に入ってみると、とても親しみやすい雰囲気で居心地が良かったことです。林さんは、お客さんが気軽に話ができる、開放的な雰囲気のお店を作りたいと考えています。実際にアライズコーヒーロースターズのベンチに座っていると、林さんとコーヒーや清澄白河のことなどを気楽に話ができ、何度も来ている常連客になったような気がしました。

私がベトナム人だと知った林さんは、現在ベトナムダラット在住の日本人の友人が精選を手掛けるコーヒーについての話を熱心にしてくださり、アライズコーヒーロースターズで最近ベトナムのコーヒー豆が非常に人気があることも教えてくれました。近年は、タイ、ラオス、フィリピンなどの日本ではまだあまり知られていない良質なアジア豆の認知を広める事に力を入れているそうです。ブラジルやコロンビアなど南米諸国のコーヒー豆に慣れ親しんでいる方や、新しいコーヒー豆を味わってみたい人は、ぜひアライズコーヒーロースターズに立ち寄ってみてください。きっと素敵な出会いが待っているはずです!

多くのカフェやコーヒー店が集結する清澄白河にありますが、アライズコーヒーロースターズには独自のファンがたくさんいます。来店するお客さんは、コーヒー豆を買いに来る地元の方がほとんどだそうですが、お店で焙煎されたコーヒーを飲むために他府県や海外からわざわざ足を運んでくる人も多いそうです。

清澄白河の特長として、もう一つ特別なことがあります。それは、多くのカフェやコーヒー店が隣接しているにもかかわらず、店舗同士が熾烈に競争することなく、清澄白河がさらに発展することを目指して協力し合っていることです。例えば、アライズコーヒーロースターズは自家焙煎コーヒーの専門店としてブラックコーヒーのみを提供しているので、カフェラテを飲みたい人に対しては、林さんがブルーボトルコーヒーなどの他店舗を紹介します。一方、他のカフェでは「珍しいシングルオリジンを飲みたければアライズへ」と紹介することもあるそう。この良好な関係が、清澄白河の温かく穏やかな空気を作り出しているのだと実感しました。

ブルーボトルコーヒー 清澄白河フラッグシップカフェ: オシャレなコーヒーを飲むことが出来るお店

今回紹介する最後のカフェは、清澄白河にある超有名店「ブルーボトルコーヒー 清澄白河フラッグシップカフェ」。fukadaso cafeの佐藤さん、アライズコーヒーロースターズの林さん、どちらもブルーボトルコーヒーの登場で清澄白河の姿が一変したと言います。このお店がオープンした2015年2月以前にも清澄白河にはいくつかのカフェが存在していましたが、お客さんは地元の年配の方がほとんどだったそうです。しかし、ブルーボトルコーヒーが登場してからは、若者や外国人がたくさん訪れるようになり、どんどん賑やかになりました。そして、清澄白河は「コーヒーの街」という名称がつくほどに知名度が上がったのです。

アメリカ・カルフォルニア・オークランド発祥のブルーボトルコーヒーが、海外出店第一号として日本でオープンする場所を清澄白河に決めた理由を、ブルーボトルコーヒーの方に聞いたところ、このようなお返事がありました。「創業者ジェームス・フリーマンがハンドドリップで一杯一杯丁寧にコーヒーを抽出する日本の喫茶店文化にインスピレーションを受け、海外出店第一号として日本に出店することが決まりました。その中で、清澄白河への出店を決めた理由は、この地域には高い建物があまりなく道が広々と感じられる開放感があり、公園なども近くにあるため、ゆったりと空気が流れていることです。その雰囲気が、ブルーボトルコーヒーの創業地であるカルフォルニア・オークランドと似ていたことからジェームスが気に入ったのです。さらに、現在の清澄白河フラッグシップカフェがある建物と場所に一目惚れしたことも理由の一つです」。現在、ブルーボトルコーヒーは池袋、新宿、六本木など全国各地に店舗を構えていますが、日本の第一号店とあって、現在も清澄白河フラッグシップカフェにたくさんの人が足を運んでいます。

清澄白河にある多くのカフェと同様に、ブルーボトルコーヒーも古い倉庫をリノベーションしています。店内はとても広く、天井も高くて開放感があります。入口から入って店内の左側にあるのは、バリスタ達がコーヒーを淹れるドリップステーションです。ゆったりと過ごせるテーブル席もあるので、コーヒーを淹れるバリスタを観察しながら会話ができます。ブルーボトルコーヒーの作り方の秘訣は、お湯の温度やコーヒー豆の量に気をつけて淹れていることだそうです。コーヒーカップの下にスケールがあり、カップの内側から外側へ、外側から内側へ、円を描くようにゆっくりとお湯を注ぎます。お湯は4回に分けて注ぎます。コーヒーを淹れるコツを学びたい人は、ブルーボトルコーヒーを訪れて、バリスタが淹れるコーヒーの淹れ方を観察したり話したりしてみてはいかがでしょうか。

ブルーボトルコーヒーには、美味しいコーヒーの他にも、紅茶、フルーツジュース、ホットチョコレート、ペールエールまであります。また、手作りの焼き菓子やプリン、熱々の状態で提供されるワッフルなどのスイーツに加えて、グラノーラや出来立てのホットサンドなどフードメニューもとても充実しています。私はコーヒーチェリーフィズというノンコーヒードリンクを注文しましたが、炭酸を入れた甘酸っぱい味で、爽やかな気分にさせてくれます。暑い日におすすめのドリンクです!
店内には無料のWIFIもあるので、仕事もする場所としても非常に適していますよ。

清澄白河でアートな雰囲気を感じる「東京都現代美術館」

コーヒー以外の特徴として、1995年に東京都現代美術館が開館し、美術愛好家を中心に多くの人々の注目を集めたことで、清澄白河は「アートの街」としても知られることになりました。この美術館は、日本の戦後美術を中心に、国内外の現代美術を体系的に研究、収集、保存、展示するための機関として開館しました。

建築家・柳澤孝彦氏が設計した建物は、巨大なエントランス、三角柱に囲まれた内廊下、大きなガラス窓、スチール製の丸い穴が開いた壁など、とてもモダンな雰囲気です。2016年5月から休館してリニューアル作業を行い、2019年3月にリニューアルオープンしました。今訪れれば、リニューアルした新しい姿の美術館を満喫することができるでしょう。

現在、東京都現代美術館には、約5,500点の作品が展示され、合計約27万冊の日本の現代美術に関する図書があります。館内は展示会、調査研究、美術図書室、作品収集、教育普及の5つのエリアに分かれており、それぞれの用途に合わせて使い分けられています。また、レストランやカフェもあります。

また、東京都現代美術館のすぐ隣には木場公園があります。緑がたくさんあり、子どもたちが走り回って遊べる広い庭や、座って休憩したり、ランチをしたりできるテーブルや椅子があります。コーヒーを買ってここに座って飲むとリラックスできておすすめですよ。

tsunaguJapanライターお薦め観光コンテンツはこちら!

コーヒーとアートが楽しめる清澄白河へ足を運んでみてください!

清澄白河はコーヒーだけでなく、たくさんの寺院や倉庫からレトロな下町情緒を感じたり、アートを楽しむこともできる街です。 日本旅行中に1日ゆっくりリラックスできる静かな場所を探しているなら、清澄白河はぴったりの場所です。 清澄白河でコーヒーを飲みながら、この趣のある街を散策して、さらに興味深いものを見つけてみてください。

Klook.com

清澄白河から近いおすすめのホテル

MIMARU東京 日本橋水天宮前

Klook.com

東急ステイ門前仲町

この記事に掲載されている情報は、公開時点のものです。

ライター紹介

Nguyen
Nguyen Loan
東京在住のベトナム人です。約2年間日本に滞在しており、これから長く滞在して、新たな土地や人々についての興味深いことを探り続けたいと思っています。Tsunagu Japan上の記事を通じて、私自身の体験をお届けし、人々を日本に近づけたいと思います。
  • tsunaguJapanライターお薦め観光コンテンツはこちら!