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熊本で楽しめるアドベンチャートラベル
新型コロナウイルス感染症の影響で、以前のように簡単に海外旅行ができなくなってしまった昨今、人々の生活様式だけでなく海外旅行に対しての価値観も変容してきています。日本でいうところの『3密』を避けられるローカル地方への旅行志向が高まる一方、家族あるいは自分と向き合う時間が増えたことで、自分たちの人生を豊かにする上質な体験に関心をもつ気運が高まっています。このような中、ニューノーマルな旅の形として注目されているのが「アドベンチャーツーリズム(AT)」です。本記事では、熊本のATの魅力をたっぷりご紹介します!
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「アドベンチャーツーリズム」とは
「アドベンチャーツーリズム」とは、慌ただしい名所旧跡旅行ではなく、1~2週間かけてじっくりその土地を歩き、自然体験や食文化体験を通じて、五感で地域ストーリーを感じる旅行スタイル。単なるアウトドア体験だけではなく、旅行先の豊かな自然資源や歴史文化を体感し、その土地の生活者との交流を通じて、さまざまなことを学ぶ旅であるともいえます。
日本は、特定の地域に旅行者が集中するオーバーツーリズムが課題となっていましたが、全国各地に固有の自然、独自の文化が点在しているのが日本の魅力であり、日の当たらなかった地域の魅力を知ってもらうにはうってつけの旅行スタイルといえます。
日本の南西に位置する九州も日本が誇る固有の自然と独自文化を持つ地域の一つ。今回は九州中部にある熊本県の「阿蘇」「天草」「球磨川」における魅力を紹介していきます。
阿蘇
熊本市から約50kmの九州山地内に位置する阿蘇では、阿蘇山が形成したカルデラ盆地が広がり、そこに人々の暮らしと文化が根付いているのが特徴です。
阿蘇の魅力として外すことができないのが、熊本のシンボルともいえる「阿蘇山」。カルデラとカルデラ内部に出来た中央火口丘群で構成されており、中央火口丘群の中核には阿蘇五岳(あそごかく)が連なっています。カルデラは南北25km、東西18kmに及び、面積380平方キロメートルと世界最大級の広さ。他を圧倒するスケールの自然美が見どころとなっています。
阿蘇五岳
阿蘇山は現役の活火山でもあり、大噴火の歴史と生きた火口を体験できるとしてユネスコ世界ジオパークにも認定されている火山の名所。阿蘇五岳の一つである中岳山上では、いまでも白い噴煙を上げる「中岳火口」を見学できます。
阿蘇山草千里ヶ浜と阿蘇山火口
烏帽子岳の北にある千里ヶ浜火山跡にできた草原地帯「草千里ケ浜」では、噴火によってできた大きな池やその周りに放牧された馬たちといった牧歌的な風景を楽しめます。阿蘇山には火山地帯を活かした名所が複数存在しており魅力にあふれています。
火山の恩恵である温泉も阿蘇の魅力の1つ。阿蘇カルデラや阿蘇五岳を一望できる人気の露天風呂から、阿蘇のさらに奥地にある秘湯と呼ばれる「黒川温泉」には昔ながらの露天風呂まであります。
冬の黒川温泉
美しい自然景観や温泉を作り出してきた阿蘇火山の活動ですが、一方で農業被害を与えることから、人々は古来より火山を神として敬ってきました。阿蘇には、人々の暮らしに寄り添うように、神社が点在しています。とりわけ日本最古の神社のひとつとされる「阿蘇神社」、「国造神社」では、年間を通じて農業に関わりの深い儀式・祭事が多く行われ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。都会では失われつつある日本の原風景として注目されており、見学も可能です。
そんな自然、文化ともに見どころ満載の阿蘇で楽しめるアクティビティはこちら。
・阿蘇中岳火口・砂千里ヶ浜トレッキング
阿蘇中岳火口周辺をガイドの解説付きで散策。活動中の火口を間近で見られる他、周辺では2014年から続いた噴火の影響も見られます。
・阿蘇カルデラ・スターライトホーストレッキング
阿蘇カルデラのほぼ中央に位置するゴルフコース内を星空を見ながら馬で散策。 運が良ければ流れ星も見えるかも。非日常の体験を楽しめますよ。
天草
天草とは、大小120余の島々からなる360度海に面した「天草諸島」のことを指し、自然と文化に育まれた島々です。
天草松島
日中は、どの島からも青く澄んだ海を眺望できますが、夕陽が沈む頃に見られる、夕日に照らされてできる島影が大変美しいことで有名。日本三大松島の一つに数えられる景勝地「天草松島」にある「松島温泉」に浸かりながら夕日を楽しむのが人気となっています。熊本市がある九州本土とは天草五橋と呼ばれる5つの橋で結ばれており、1号橋から5号橋まで風光明媚な景色をドライブで楽しむのもおすすめです。
天草のドルフィンウォッチング
海に囲まれた天草は海洋資源も豊富。早い潮流と起伏にとんだ海底が特徴の早崎瀬戸と呼ばれる海域には魚であふれており、それらを狙うイルカたちを観察する「ドルフィンウォッチング」も盛んです。
天草の﨑津集落
天草は豊かな自然に恵まれる一方、禁教下での宗教弾圧や重税に苦しむキリシタンたちが起こした「島原・天草の乱」に代表されるキリスト教関連の歴史的スポットとしても有名。最近では禁教下でも仏教、神道、キリスト教と共存しながら信仰を続けた「天草の﨑津集落」が世界文化遺産に認定され注目を集めています。教会や神社が調和しながら漁村に佇む姿が印象的です。
天草の文化を学ぶなら、伝統工芸品「天草陶磁器」の存在を忘れてはなりません。天草は日本一の陶石の産地であることから、焼き物も見どころ。各地に点在する窯元めぐりをするのも一興でしょう。
そんな自然、文化ともに見どころ満載の天草で楽しめるアクティビティはこちら。
・天草にてシーカヤック
シーカヤックに乗って海上から松島や天草五橋を眺望。順々に松島を巡っていきます。途中、島に上陸し、貝殻を拾ったり、ビーチに寝ころんだりとアクティビティを通じ思い思いの時間を過ごせますよ。
・野生のイルカに会いに行く旅、ドルフィンウォッチング
クルーザーに乗船して天草に生息する野生のバンドウイルカに会いに行きます。地元漁師が船長なので、遭遇率も高く運が良ければ約200頭ものイルカに囲まれることも。海上から自然豊かな天草を感じられます。
球磨川
「球磨川(くまがわ)」は、熊本県南部の人吉(ひとよし)盆地を貫流し南西部の八代海に注ぐ一級河川で、球磨川水系の本流であると同時に熊本県最大の川として有名です。
球磨川のラフティング
最上川・富士川と並ぶ日本三大急流の一つである特徴を活かした「球磨川下り」の知名度が高く100年以上の歴史を持ちますが、ここ30年の間でカヤック、カヌーで楽しむリバーツーリングやラフトボートでのラフティングに好適な川としても注目されており、緩急はあるものの一年を通じて賑わいを見せています。
川岸の街並みも見どころの一つで、球磨川が流れる人吉市はかつて城下町だった名残から、温泉街が点在し、当時の風情を感じさせる建物が並びます。
さらに下った八代市では、毎年10月になると河川敷で「やつしろ全国花火競技大会」が開かれ、全国の花火師が集まりその技術を競います。例年数十万人の観光客を導入する八代の秋を彩るビッグイベントとなっています。
球磨川の終着点、八代海に注ぐ河口付近には、1,000haを超す干潟、湿地が形成されており、野鳥の宝庫。なんと90種類以上もの野鳥が飛来することから、バードウォッチングが盛んであり、重要野鳥生息地(IBA)にも指定されています。
そんな自然、文化ともに見どころ満載の球磨川で楽しめるアクティビティはこちら。
・球磨川での川下り
100年変わらず愛される川くだり船での川下り。船の前後に立つ熟練の“船頭”と“ともはり”の2人に導かれ、温泉町へと下ります。船上からはかつての城下街の名残である人吉城跡や緑豊かな山々を楽しめます。
・球磨川でのラフティング
おおむね川下りと同じエリアである人吉から渡にかけてくだり、人吉エリアは流れが緩やかなので初心者向け、渡エリアは激流と荒々しい岩場を突き進んで球磨川の急流を楽しめます。
熊本県を満喫するためには一日二日の旅行では時間が足りないはず。旅程を伸ばして自然資源や歴史文化をじっくりと体感すれば、新しい学びが得られるかもしれません。
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