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京都民のみぞ知る穴場!混雑を避け桜を鑑賞できる絶景名所8選

春の京都で桜を楽しみたい、でも人混みは避けたい…そんな人へ向けて、京都の出版社で編集経験のあるライターが厳選した、とっておきの花見の穴場スポットをご紹介。京都府外からの観光客や訪日外国人観光客にはあまり知られていない、地元民だから知っている穴場の名所を訪れて、のんびりと京都の桜を堪能してみてください。

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雨宝院

1000年以上も前に創建されたと伝わる古寺・雨宝院。京都の通常の桜の開花時期と言えば、4月上旬が平年の相場ですが、ここは京都市内の中でも遅咲きの桜の名所で、京都で一番開花が遅いと言われる仁和寺の「御室桜」と同じく、4月中旬〜下旬頃に見頃を迎えます。狭い境内の頭上いっぱいを桜が覆い、どこを見上げても一面ピンク。花弁が何層にもなった観音桜や歓喜桜、松月桜など珍しい種類の桜も多く、それらが一斉に咲く様子は、息を呑むほど美しいものです。

また、山門近くには「御衣黄桜」と呼ばれる薄緑色の花をつける大変珍しい桜も。これだけ素晴らしい桜の名所でありながら、訪れる人がまばらなのは、観光客としては見逃せないところでしょう。開花時期が桜のハイシーズンからずれているので、京都から桜の見物客が引き始めた頃に見頃を迎えます。平日であれば満開の桜を独り占め、なんて贅沢も叶うかもしれません。

六角堂

華道発祥の地でもあり、京都市随一の繁華街、河原町エリアに隣接する阪急「烏丸駅」から徒歩5分ほどの街中に位置する六角堂。京都の中心地点であると言われていたため、それを示す「へそ石」があり、観光客はもちろんのこと、近隣の会社員や地元民の憩いのスポットとしても人気を集めています。
しかし桜の名所として訪問する人は、そう多くは見られません。その理由の一つに、こちらの桜は他の桜の名所より少し見頃が早く、3月下旬頃から咲き始めることが挙げられます。境内に咲く桜は「御幸桜」という枝垂れ桜で、開花が進むにつれて花弁が紅色に変化していくのが特徴。桜の木は数本ながら、頭上いっぱいを覆うピンクのシャワーは圧巻のひと言。

桜の下に並ぶ愛らしい十六羅漢像や、”六角堂”の名の通り六角形の形をした本堂など、小さい境内ながら見所も多数。アクセスも抜群のお花見スポットへ出かけましょう。

熊野若王子神社

哲学者の西田幾多郎が思索にふけりながら散策していたことからその名がついた、琵琶湖疎水分線沿いの歩道「哲学の道」。約2kmの小道にまるで桜のトンネルのような光景が広がるとあって、春には多くの観光客が足を運びます。哲学の道の南側に位置する「熊野若王子神社」の裏山には、知る人ぞ知る桜の名所が隠れています。本殿裏の山手に続く道にひっそりと掲げられた「桜花苑」の看板に沿って進むと、現れるのは小高い山に吸い込まれるように続く石段。その先には、天に向かって競うように桜が咲き乱れ、非現実的な光景が広がります。

この桜は「陽光桜」という種類で、太陽に向かって木の枝が真っ直ぐに伸びる、一風変わった桜です。見頃は哲学の道のソメイヨシノがピークを迎える4月上旬よりも、少し早く3月下旬頃から4月上旬。満開時は濃いピンクの花弁と青空とのコントラストが見事です。小高い丘は人もまばらで、多くの人で賑わう哲学の道の喧騒が嘘のよう。京都の街を見下ろしながら、桜を独り占めできる感覚を味わえます。

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真如堂

京都の紅葉スポットとして必ず名の挙がる真如堂。実は桜の名所としても密かな人気を集めています。日本人観光客にとっては、紅葉が有名ということから、あまり桜のイメージがないのか、秋の紅葉シーズンに比べて観光客は少なめ。境内には数種類の桜があり、本堂前で出迎えるソメイヨシノ、三重塔とのコラボレーションが見事な枝垂れ桜、縦に表皮が走ることからその名のついた「たてかわ桜」など、多様な桜が息づき、訪れる人を何度も楽しませてくれます。しかも、これだけ贅沢に桜を楽しめて拝観は無料!春も秋も、必ず訪れたいスポットの一つです。

また、真如堂正門の正面に位置する宗忠神社や、南にすぐの金戒光明寺もゆったりと桜を楽しめる地元民にはお馴染みのスポット。人混みを避けて、のんびり散策してみては。

Klook.com

宇治川派流沿い(伏見)

豊臣秀吉の伏見城築城にあたって建築資材を運ぶために作られた河川、宇治川派流。水運の町として栄え、この地域の水が酒造りに向いていたことから日本酒造りも盛んになり、現在も酒蔵の趣ある佇まいが残っています。そんな同運河で、春から秋にかけて運航される観光船、伏見十石舟は一見の価値あり。柳並木に囲まれた水面をゆっくりと進みながら鮮やかな桜を愛でることができます。

約50分のコースでは、途中下車して三栖閘門と資料館の見学も。酒蔵と桜の風情ある景色を眺めながら同エリアで育まれた歴史にゆっくりと想いを馳せてみましょう。

清流亭前

軍人・政治家として活躍した山縣有朋、作家として知られる上田秋成、パナソニックの創業者である松下幸之助など、日本史に名を残す人々がこぞって別荘を建てた南禅寺界隈。野村財閥の創始者である野村徳七が構えた別荘「碧雲荘」や海軍軍人であった東郷平八郎が名付けた「清流亭」も例外ではなく、どちらも国の重要文化財に指定されています。その2つの別荘の間を分かつ小道で見られるのが、目の覚めるような紅枝垂れ桜。清流亭の垣根を越えて咲く桜の鮮やかなピンク色が数十メートルに渡って降り注ぎます。清流亭は一般非公開ながら、その垣根を越えて咲き乱れる枝垂れ桜は誰でも目にすることができる貴重な光景として地元民に親しまれています。

小道の先は南禅寺の三門に続いており、辺一帯は格式高い荘厳な雰囲気に包まれています。哲学の道から永観堂前を通り、そのまま南禅寺に抜けてしまう人も多いので、野村別邸への寄り道を覚えておきましょう。

千本釈迦堂

西陣の閑静な街並みに溶け込む千本釈迦堂は、京都市街地最古の木造建築である本堂をはじめ、六観音菩薩像や釈迦如来像など重要文化財の寺宝も多く、建築・仏像ともに見どころの多い寺院として知られています。境内に一本だけ咲く枝垂れ桜は「阿亀桜」と呼ばれ、小ぶりで控えめな花弁ながら、思わず引き込まれてしまう魅力に満ちています。

おかめとはこの寺の本堂建築で棟梁を務めた大工の妻で、棟梁が大事な柱の寸法を間違えて切り落としてしまった際、おかめの助言により窮地を脱したものの、「女性の知恵で棟梁が大仕事を成し遂げたことは夫の恥」とおかめは完成を前に自害してしまいます。そんな彼女の像を前に咲く枝垂れ桜は、おかめ伝説を物語るような儚い印象を与えています。

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京都府庁旧本館

明治34年に建てられた京都府庁旧本館は、知る人ぞ知る桜の名所。レンガ造りの建物と桜という京都では珍しい景色を堪能できます。建物は現在も会議室などに使用され、創建時の姿をとどめる現役の官公庁の建築物としては日本最古。中庭には6種7本の桜の木があり、毎年3月中旬から4月上旬に開催される「観桜祭」に合わせて公開されます。中庭の中央に咲く「祇園しだれ桜」は、有名な円山公園の初代しだれ桜の孫にあたる名木。外からも中からも桜が望め、特に2階の窓越しにみる祇園しだれ桜は壮観です。

他にも1階出入り口のアーチ越しに望む桜や建物と桜全体を見渡せる中庭入り口など、撮影スポットも充実。神社・仏閣とは一味違う京都の桜を楽しんでみては。

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ライター紹介

Keiko
Keiko Sato
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