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ただの調味料ではない!100年の歴史を持つ醸造所で「味噌」の多様性とメリットを知る
大豆から醸造された日本の伝統的な食材である味噌は、日本食を象徴する言葉と言っても過言ではありません。味噌は、何百年もの間、変わらず日本で愛され続け、ラーメン、鍋、おにぎりなどの料理に欠かせないうま味の素です。味噌は、美味で多彩な風味があるだけでなく、健康面のメリットも多いので、最近では海外でも人気が高まっています。今回の「Culture of Japan」シリーズでは、この代表的な調味料について詳しく知るため、新潟市の100年の歴史を持つ峰村醸造で味噌専門家に話を聞きました。
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味噌とは何か?日本の代表的な調味料の歴史と成分
味噌は、一般的に「麹」を加えた米や小麦を混ぜた蒸し大豆または煮大豆から作られる日本の伝統的なペースト状の食材です。「麹」は、日本酒 や醤油などの発酵食品を作るために一般的に使用されるカビのことです。 これに、塩を加えた後、放置して発酵させ、成熟させると、うま味いっぱいの半固形状のペーストになります。日本のほとんどの地域では、さまざまな醸造技術と発酵技術によって築かれた独自の味、色、それらの融合性などに誇りを思って地域独自の味噌を生産しています。
味噌は古くから日本料理の礎となっており、何千年もの歴史を誇っています。味噌の正確な起源は不明ですが、味噌は古代中国や朝鮮半島を介して日本に来たとする説、または弥生時代(紀元前300年-紀元250年)に日本で塩の保存の際に作られたとする説が最も一般的です。おそらく、それは日本で発展する前に、同様の海外の調味料に触発された二つの組み合わせでした。
味噌の最古の記録の一つが、701年に書かれた大宝律令です。「みしょう」と呼ばれる調味料を指して、ツブツブした大豆ペーストとして記述されています。平安時代(794年-1185年)には、味噌はしばしば薬用に使用される珍味となりました。今のような一般的な味噌汁は、鎌倉時代(1185年-1333年)に、野菜とご飯を入れたお椀の味噌汁という謙虚な武士の食事の習慣とともに登場しました。
その後、日本では大豆の生産量が増加し、室町時代(1336年-1573年)には一般の人々が自家製味噌を作ることができるようになり、江戸時代(1603年-1868年)には多くの料理に使用される一般的で日常的な食材として定着しました。現在、日本の味噌消費量は徐々に減少していますが、2022年には340,000トン以上の味噌が生産されており、日本の家庭で、食材棚や冷蔵庫に味噌が入っていないことは、めったにないでしょう。
日本の味噌の種類
醤油や酒などの発酵食品と同様に、味噌の特徴は大きく異なります。味噌は大豆から作られていますが、米や小麦のような他の原材料の比率や、発酵時間などによって味噌の風味は大きく変わります。広義に、味噌は以下のように分けることができます。
成分による分類
・ 米味噌(米): 大豆を、麹を加えた米と混ぜます。これまでで最も一般的なタイプの味噌で、生産量の約80%を占めています。
・ 麦味噌(麦): 大豆を、麹を加えた小麦と混ぜます。主に日本南部(九州、四国、中国地方)で作られています。
・大豆味噌(豆): 大豆のみを使用し、麹は大豆自体に直接加えられます。主に日本中部の東海地方で作られ、最も有名な生産地は名古屋の八丁町です。
・調合: 上記の2つまたは3つを混ぜたものです。
味による分類
- 甘口(あまくち): 醸造中の麹の量を増やし、発酵時間を短縮することによって、より軽く、より甘い味が作られます。塩気の少ない「甘味噌」とより塩気のある「甘口」にさらに分けることができます。
- 塩味(からくち): たいていの場合、醸造において多くの大豆を使用し、発酵時間を増加させることによって作られた重く、塩味のつよいものです。全味噌生産量の75%を占めます。
色による分類
- 白味噌(白): 発酵時間の短い米の割合が大きく、白っぽい色合いの淡い黄色の味噌です。たいていの場合、少し甘い味わいです。
- 淡色味噌(たんしょく): より深い、黄金色の黄色の味噌です。白味噌より米の使用量が少なく、塩分も多くなっています。甘い味噌と塩辛い味噌の間のどこかマイルドな味わいです。
- 赤味噌(あかみそ): 赤褐色で、黒っぽい味噌です。高い塩分濃度で長い発酵と熟成期間によって作られます。例外を除いて、一般的に塩味があり、味が香ばしいです。
+ だし味噌 :「だし汁」をペーストに混ぜた味噌の一種で、だしを使わずに味噌汁を作ることができます。
日本のほとんどの地域では、上記の要素を混合して作られた独自の味噌醸造をしています。例えば、北日本では赤味の強い米味噌、東海地方では濃い大豆味噌、関西地方では白味の甘い米味噌、南部では小麦味噌などが生産されています。以下は、いくつかの一般的な味噌の種類とそれぞれの地域です。
塩味が強い赤米味噌
北海道味噌、津軽味噌(青森県)、秋田味噌(秋田県)、仙台味噌(宮城県)、会津味噌(福島県)、佐渡味噌(新潟県)、越後味噌(新潟県)、加賀味噌(石川県)
甘口赤米味噌
江戸甘味噌(東京)、御膳味噌(徳島)
甘口の淡色の米味噌
越中味噌(富山)
塩味の淡色の米味噌
信州味噌(長野)
塩味で濃い色の大豆味噌
東海豆味噌(愛知、岐阜、三重)
甘口の白い米味噌
関西白味噌(関西:京都、大阪、神戸など)、讃岐白味噌(香川)、府中白味噌(東広島)
甘口の淡色または白味噌
瀬戸内麦味噌(愛媛、山口、広島)、九州麦味噌(九州地方:福岡、熊本、長崎など))
たいていの場合、これらの味噌の種類は、各地域の特性に結びついています。例えば、米や小麦を使わずに酸味のある深いうま味を出す東海豆味噌は、東海地方の高温多湿の気候から開発され、米や小麦と混合した大豆の脂肪酸が酸化して作り出されます。醸造者は、大豆に直接麹をかけることで酸化を防ぐことができることを理解していて、現代の技術で、この問題を大きく解決できるのですが、地元の人々は今も自信をもってこの独特な地元の味を楽しんでいます。
日本を旅行している間に、地域ごとの味噌の違いを発見し、地域自体について知るためにぜひそれぞれの地元の味噌を試してみてください。味噌はお土産としても、最適です!
峰村醸造-100年以上の味噌醸造!
味噌の味と歴史は、単純なものではありません。味噌をもっと深く知るために、新潟市沼垂にある長い歴史をもつ峰村醸造を訪れました。1905年に創業した峰村醸造は、発酵食品で有名な沼垂の栗ノ木川にかつて並んでいた多くの味噌醸造所の一つでした。
沼垂の街は昔と変わりましたが、峰村醸造は元の場所から移転しておらず、昔からの伝統と現代がシームレスに融合して繁栄し続けています。峰村醸造は、江戸時代後期(1603年-1868年)と大正時代(1912年-1926年)に建てられた古風な2つの白壁の土蔵と、奥にある味噌蔵の3つの建物に分かれています。伝統的な表向きを残しながら、店内はシックでモダンな和風に上品に改装されており、広大な味噌の世界を掘り下げるのに最適な空間を演出しています。
醸造所自体は、発酵樽、醸造設備、包装機械などが設置された驚くほど大きな複合施設で、伝統的な雰囲気を現代的な効果で作り出しています。また、峰村醸造では、醸造所ツアー(現在は中止中)などが開催されており、古い沼垂文化を知り、かつ味噌の知識もレクチャーしてもらえます。この「発酵の町」についての詳細はこちらの記事でご覧ください。
越後味噌の特徴
峰村醸造の専門は、越後味噌です。これは、かつての越後国(現在の新潟県)の味噌です。新潟県は全国有数の米の産地で、地元の醸造所は長い間、この豊富な米をベースにした米味噌を作ってきました。越後味噌は、大豆と米のバランスが取れたマイルドな塩味(辛口)で、色は赤味噌と淡色味噌の中間の色で、米の粒状からの濃厚な食感が特徴です。東海豆味噌や津軽味噌のような赤味噌の品種ほど味が強くないので、辛味があまり強くありませんが、大胆でピリッとした風味を求める人に適しています。
稲作が盛んであると同時に、新潟の気候も、古くからの味噌醸造文化を確立した大きな要因です。寒い冬は繊細な醸造工程で発酵を抑制し、暑い夏は急速な発酵を促進するからです。新潟県では2019年に5,018トンの味噌が作られており、長野県(217,999トン)や愛知県(37,835トン)などの近隣の生産地に比べ少ないですが、日本有数の味噌の産地の一つと言えます。
峰村醸造は、越後味噌の絶対的な生産者でありながら、技術の開発と従来の製造法の保護の両方に努めている革新的で先駆的な醸造所です。大豆を煮て蒸す「半煮半蒸」。新潟県の米と雪をイメージしたより白い色であり、うま味をバランスよく整えた新しいタイプの越後味噌を開発するために考え出された製法です。大豆を煮込むと、淡色の味噌ができますが、うま味成分が失われてしまいます。一方、蒸すと、うま味成分は増しますが、急速に色が濃くなります。しかし、大豆のうまみが抜ける前にひと煮立ちさせることで、蒸しによる黒ずみを抑え、新潟にふさわしい白くてうまみのある味噌が誕生したのです。
また、峰村醸造では、伝統的な蒸し大豆の製法を使って、昔の新潟を彷彿とさせるコクのある風味を引き出す「復刻仕込」で、地域特有の赤い越後味噌を製造しています。その他、成分比や熟成時間などの異なる6つの味噌の種類もあり、あらゆる種類の料理に使えるラインナップが揃っています。
では、実際に峰村醸造の味噌はどのように作られているのでしょうか。醸造所を一緒に見てみましょう!
味噌はどのように作られているのか?
私たちを案内してくれたのは、入社5年目のマーケティング部長、小林潤さんです。峰村醸造のクリエイティブなマーケティングとスタイリッシュなパッケージに感動され、入社したそうです。売店を一通り見た後、醸造所の心臓部に入ります。
清潔で洗練された顧客向けのアイデア満載の売店とは対照的に、味噌醸造所は、産業機械の騒音が鳴り、味噌の香りが充満していました。従業員の方は、頭からつま先まで白いオーバーオールを身に着けています。このように工場の独特な雰囲気もありますが、峰村醸造はアトリエのような雰囲気も持っていて、従業員の方は情熱的で思いやりを持って、醸造工程に取り組んでいました。
醸造所に入る前に、外から菌を持ち込まないように、私たちはメッシュキャップと靴カバーを貸していただきました。肉眼では見えませんが、愛される味噌の製造に一役買っている微生物の繊細な生態系がそこにはあるのです。外部から菌が持ち込まれることで、醸造所内の菌のバランスを壊す恐れもあり、厳格な衛生管理が必要です。実は、多くの醸造所では、納豆を食べたばかりの人は入ることができません。納豆の発酵に使われている細菌が醸造所に入り込むと、味噌製造の細菌を台無しにする可能性があるからです。
味噌の味は複雑ですが、味噌作りのプロセスは驚くほど簡単です。まず、小林潤さんが私たちを蔵の奥に連れて行ってくれました。ここでは、精米した白米を蒸し、「種麹」発酵を始めさせる麹を接種「米麹」にします。そして、大豆を洗って水に浸します。その後、大豆を茹でて蒸し、つぶして、米麹、塩、水を加えて混ぜ合わせ、発酵させます。
左の写真の機械は、米を蒸し、麹を加える機械です。右の機械は、米麹を加えた米、つぶした大豆、塩をミキサーに運ぶコンベアベルトです。後ろには、米麹を醸造工程に加える前に、菌を増殖させるために保管する貯蔵庫も見えます。
次に、このマッシュは、発酵を開始するためにプラスチック製の大きな箱に移されます。この間に、麹菌などの細菌がタンパク質をアミノ酸に変え、デンプンを糖化してグルコースに変え、味噌の味を決める豊かなうま味を作り出します。このような味噌をいれる容器は、急速な発酵を促し、一年中完璧な条件を確保するために、30°C〜32°Cの温度で温暖室に保管されます。峰村醸造では、自然の気候に依存しなければならない古いタイプの醸造所よりもはるかに速く、より頻回に味噌を製造することができます。
一方、発酵の長さは味噌の種類によって異なります。峰村醸造の白味噌は、風味を軽く爽やかに保つために約2ヶ月という比較的短い期間で発酵させます。赤味噌は約4-6ヶ月熟成させ、より深い風味を出させます。
その後、完成した味噌は、大桶に移され、ショベルのような機械(上の写真)によって、混ぜられます。混ぜるのは、味噌の外側と内側の層が異なる発酵段階にあり、不均一な風味になってしまうことがあるため、すべてが同じ品質になるようにするために行います。
峰村醸造では、味噌が加熱殺菌するこの次の行程をせず、すべての自然に任せ熟成させます。加熱殺菌の代わりに、峰村醸造では、完成した製造単位ごとに酒(「酒精」と呼ばれる)を加え、すぐに発酵プロセスを停止し、容器内でガスが生成されるのを抑止しながら、風味や色が変化してしまうのを防ぎます。
また、峰村醸造では、酒の添加や加熱殺菌をしない「無添加」の味噌も製造しています。この製品では、パッケージに穴を開けてガスを放出させ、味噌を味噌本来の形で楽しむことができます。このような本格的な商品ラインナップにより、峰村醸造は味噌醸造の伝統を尊重しながら、さまざまな味覚やライフスタイルに合わせて幅広いセレクションを提供しています。
最後の行程として、何ヶ月もの醸造、混合、発酵を経て完成した味噌は包装されます。峰村醸造の製品は、隣接する蔵元直売店とともに、新潟県内のスーパーや小売店に味噌を出荷しているほか、ネットや全国の専門店でも購入できます。
「味噌製造の最も難しい工程は何ですか?」と尋ねると、小林潤さんは「良い味噌を作れるか、失敗するかの分かれ目は、良い米麹を作ることです。したがって、麹菌が繫殖し、米にしっかりと菌を植え付けるのに細心の注意と技術が必要です。」と答えてくれました。このように、味噌醸造は米麹をベースにした酒造りと似ているとも言えます。味噌は、醤油とも製造工程が似ていますが、小麦や塩水という成分だけでなく、最終工程で圧力をかけ、液状に濾すという点で異なります。
峰村醸造を見学して、味噌醸造の複雑で多面的な性質を深く知ることができました。創業以来100年以上にわたり、味噌の基本的な製法はほとんど変わらず、この伝統的な食品を魅力的で現代的な食品にしていることが、よく分かりました。
峰村醸造と同様に、全国の多くの味噌醸造所で施設見学ができます。見学すれば、この不思議なスーパーフードへの理解と謝辞を深められることは間違いありません。
日本の定番味噌料理
味噌で、料理の可能性は無限に広がります。しかし、色々と新しい使い方を試す前に、一般的な日本料理から始める方が良いと小林潤さんはアドバイスしてくれました。
最も簡単で最も一般的なのは味噌汁です。「味噌汁に使う味噌の種類は好みによって異なるが、白味噌は一般的に軽くて飲みやすいので、初めての人や好き嫌いのある子どもには適しています」と小林潤さんは言います。でも、オリーブやブルーチーズのようなピリッとした塩味を好む方には、深い味わいの赤味噌が良いかもしれません。
味噌汁を作るためには、魚、肉、海藻、野菜の抽出物から作られた旨味のベース「出汁」も必要です。峰村醸造では、地元の専門店から仕入れた様々な味や食材の出汁も販売しています。
tsunagu Japanのおすすめの簡単味噌汁レシピをご紹介します:
1. だし汁を水で煮ます。
2. 具材(豆腐、ネギ、ワカメ、キノコなど)を加えます。材料に火が通ったら、火を止めるか、弱火にします。
3. 汁にゆっくりと味噌を溶かすために、おたまと菜箸を使用します。味噌の量は好みによって異なりますので、少しずつ溶かし始め、適切な量かどうか味見を繰り返してください。
4. 出来たら、すぐに盛り付けます。
他に日本で人気のある味噌料理には、次のものがあります:
ラーメン
豚骨味と醤油味と並び、味噌味は、最も人気のあるラーメンの味の一つです。 味噌ラーメンは、北海道の道庁所在地札幌の代名詞であり、1955年に地元のラーメン店の経営者によって札幌市内で考案されました。仙台、新潟、長野などでも人気の味噌ラーメンがあり、全国のほとんどのラーメンチェーン店でメニューに載っています。
うどん
うどんは、 小麦から作られる太い日本の麺です。うどんの食べ方は様々ですが、一般的な「かけうどん」は、熱いだし汁の中の麺を食べるものです。あまり知られていませんが、愛知県の「味噌煮込みうどん」もあります。うどんを蒲鉾やネギなどの具材と味噌の出汁で煮たものです。味噌は、「焼きうどん」など他の地域ごとの料理でも使われます。
鍋
鍋は、日本の鍋料理の総称です。北海道の「石狩鍋」、茨城の「しし鍋」、東京の「さくら鍋」、愛知の「赤から鍋」など、味噌を出汁として使用するものが多くあります。
味噌田楽
豆腐、ジャガイモ、ナス、コンニャクなどの食材を串に刺して焼き、味噌ベースのタレをかけ、時にはもう一度さらに軽く炙って味噌をカラメル状にします。「魚田」は似た料理レシピですが、具材は魚です。特に「鮎」は、人気があります。京都発祥の西京焼きは、魚を白味噌ベースのタレに漬け込んで焼いたものです。
漬物/味噌漬け
漬物は、日本であらゆる種類の食材や製法を使って作られた漬けた物を指します。「味噌漬け(みそづけ)」とは、特に味噌に漬けたもののことをいいます。これはもともと保存のために行われていた技術で、いまでは風味を加えるために味噌を使用します。漬物は、定食の付け合わせとして提供されたり、お酒と一緒に楽しまれたりすることがよくあります。峰村醸造では、大根を味噌の樽につめ、贈答品として出荷する伝統から始まった味噌漬けのラインナップを豊富に取り揃えています。また、ご飯のトッピングとして味噌漬けを細かく刻んだ「きざみ味噌漬」も人気です。日本で人気のある豚肉のスライスやもつ肉を、味噌で漬けることもあります。
きりたんぽ
きりたんぽは、秋田県の郷土料理で、潰した米を木の串に刺して作ったものです。焼いた後、味噌を塗るか、鍋に入れるか、して食べることが多いです。
和えもの
和えもの(あえもの)とは、あらかじめ下処理された野菜や味付けした野菜の小鉢のおかずのことです。さまざまな具材や和えごろもを使用することができ、味噌ベースの和えものは「味噌和え」と呼ばれます。
味噌炒め
「炒め」とは日本語で「炒める」という意味です。味噌炒めは、醤油、酒、砂糖と味噌を混ぜたソースで肉と野菜を炒めたシンプルでおいしい料理です。
味噌煮
「煮(に)」とは、食材を煮たり、ソースで煮たりする日本料理です。味噌煮は味噌ベースのソースを使って、サバを調理するのによく使われます。
おにぎり
おにぎり は、鮭、イクラ、マグロ、昆布、梅干などの具材とご飯を のり に包んだものです。おにぎりでは、おにぎりの中にスプーン一杯の味噌ペーストを入れたり、味噌をおにぎりに塗って軽く焼いたりしてもおいしいです。味噌漬けはおにぎりにもぴったりです。
独特な日本の味噌料理
日本では味噌の消費量が減少しているため、峰村醸造のような生産者は、常に商品ラインナップと顧客基盤を拡大しようとしています。味噌の塩味を活かしたスイーツ、チーズケーキ、バウムクーヘン、せんべいなどがあり、ミルクやキャラメルなどの甘くクリーミーな味と絶妙なコントラストを形成しています。味噌の塩辛さがあまりにも強い場合は、これらの味噌ベースのお菓子にしてみると、強みが和らぎ、より穏やかな味になるかもしれません。
西洋料理に味噌を取り入れる
日本での味噌の人気の低下とは対照的に、最近の傾向では、海外で味噌の消費量が着実に増えています。味噌汁やラーメンなどの日本料理とともに、味噌は西洋料理に簡単に取り入れることができ、変化に富む美味しい料理になります。
味噌ベースのドレッシングはどんなサラダにも合います。また味噌を少し足すことで、炒め野菜のスパイスとなり、パスタソースにもパンチを効かせることができます。味噌は、チキンやケバブを漬けるのにも使えますし、照り焼きソースが入手できないときには代替品となります。ニンジンやパセリのスティックサラダには、ユニークでヘルシーなディップソースになります。峰村醸造が製造しているように、ケーキや他のお菓子に活用でき、より深く、多層の風味を出すことができます。また、味噌は単に塩の代替品としても役立ちます。
一般的に言えば、よりマイルドな白味噌は、汎用性が高く、他の食材を殺してしまうことがないため、西洋料理に適しています。味噌は調理せずに安全に消費することができ、一般的に劣化することは遅く、長持ちします。ただし、味噌のタイプによっては賞味期限が異なる場合がありますので、ラベルをよく確認してください。
味噌の健康上のメリット
味噌はスーパーフードとしてもブームとなっています。味噌の健康上のメリットは、昔から日本で認められており、「医者に金を払うよりも、みそ屋に払え」という江戸時代の古い諺があります。
まず、味噌には、タンパク質、繊維、ビタミン、カリウムなどのミネラル、アミノ酸、塩などの栄養が豊富に含まれているため、これらの栄養素を食事に簡単に取り込むことができます。また、甘味食材は豊富ですが、味噌は一般的に野菜、魚、豆腐などの健康的な食材とともに食べられ、健康的な食事自体を促進するのに役立ちます。味噌の大豆タンパク質はコレステロールを下げて、ビタミンE、サポニン、食物繊維は肌の健康と質を改善することで知られています。
特に加熱殺菌されていない味噌は、腸の健康を改善し、消化を助けることができるプロバイオティクスと呼ばれる有益な細菌でいっぱいです。味噌を使って調理したり消費したりすると、その数は死滅しますが、その死骸は腸内の既存のプロバイオティクスを供給し、健康な消化環境を育みます。さらに、麹発酵は大豆の栄養素をより吸収しやすくし、通常の大豆料理よりも大きな健康上のメリットがあるのです。
確かに現在はまだ研究段階ですが、味噌には、他にも潜在的な利点があると考えられていて科学的研究の対象となっています。これには、腸内のビタミン細菌の増殖を促進し、特定の癌のリスクを軽減し、脳の健康を支援するという点も含まれます。しかし、味噌は塩分が多いので、塩分の少ない食事をしている人は注意が必要です。
お土産としての味噌
小林潤さんによると、パンデミックの前には、世界中からの外国人観光客が、味噌をお土産に買いに峰村醸造を訪れたことが多かったといいます。特に人気があったのは、生の味噌を扱う手間をかけずに味わうことができるお菓子やせんべいでした。しかし、味噌は開封後も冷蔵せずに保存することができ(直射日光を避け、冷暗所で保存するのが最善ですが)、小さなパッケージはお土産に適しています(本国の税関規制に注意してください)。
味噌:日本料理の基礎
味噌は、心温まる味噌汁、ラーメン、おにぎり、鍋などの愛されている料理に至るまで、長い間、日本料理の基盤の一つとして君臨していました。各地域独特の味噌の種類があり、料理に無限の可能性を広げ、健康上の利点が多くあります。日々の食事に味噌を加えてみましょう。峰村醸造の見学では、現代に残る古き良き味噌の原型を見ることができ、この発酵スーパーフードを作るためにどれだけの努力と技術が必要なのかを発見できました。次回日本を訪れた際は、味噌醸造所を旅の計画に加えてみてください。日本の特別な味噌文化への理解と感謝を深めてみてください!
サムネイル:ピクスタ(左上)、峰村醸造(左下)
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