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日本最大の海賊 村上海賊ゆかりの地・芸予諸島を巡る旅

中世の瀬戸内海で活躍した日本最大の海賊「村上海賊」をご存知ですか?一般的な海賊とは違う位置付けにあった彼らの役割、そして本拠地である瀬戸内海に浮かぶ芸予諸島を巡ることで見えてくる日本の歴史や文化など、今回は日本をもっと好きになる瀬戸内海の観光スポットをご紹介します。

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村上海賊とは

戦国時代に広島県と愛媛県に挟まれた瀬戸内海の広範囲を支配した村上海賊は「日本最大の海賊」として知られ、2016年に日本遺産に認定されたことで注目を集めています。
一般的に海賊とは、海上で往来する船から金品を脅し取る盗賊と認識されていますが、村上海賊は瀬戸内海の秩序を守る存在でした。
芸予諸島を中心に海上の安全を守る「海の安全保障者」、巧みな操船技術で敵を迎え討つことから、名だたる戦国武将からの信頼が厚い「水軍」、立地を生かし国内外から高級品や文化を通商する「商人」、新鮮な魚介類を獲り生活する「漁業者」等、多様な働きをしていたのも特徴です。





1. 村上水軍博物館

その名の通り、村上水軍の魅力を余すところなく学べるのが村上水軍博物館。1Fでは、約700冊もの村上水軍や海賊に関する本がずらり揃う海賊ライブラリーや、復元された村上水軍の船の展示を楽しめます。2Fには、見応えたっぷりな常設展示室と、企画展や民俗写真展が開催される企画展示室、2つのエリアがあります。常設展示室は5つの部屋に分かれており、映像や復元品、最新の発掘成果の展示を通じて村上水軍にまつわる事物を多角的に知ることができます。また、同フロアにあるわくわく体験ルームでは、日本のスタンダードな甲冑や小袖を着ることができます。3Fの展望室からは、能島城跡をはじめ美しい瀬戸の景色が眺められ、見応えたっぷり。村上水軍について詳しく知りたい!と言う方はぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

対応言語
館内掲示物:英語
配布パンフレット:英語・繁体字

入館料:大人300円、学生150円





2. 大山祇(おおやまずみ)神社

山の神・海の神・戦いの神として歴代の朝廷や武将の尊崇を集めた由緒正しき神社です。村上水軍の武将達の信仰も集め、武運や海上交通の安全を祈ったといわれています。村上水軍関連のことを知りたいならこちらも訪ねてみてはいかがでしょうか?
なかでもおすすめは大山祇神社宝物館。全国の国宝・重要文化財の指定を受けた武具類の約8割が収蔵、展示されています。村上水軍とともに活躍した女武将、瀬戸内海のジャンヌ・ダルクこと鶴姫の武具もあります。日本で現存する唯一の女性用鎧で重要文化財となっています。また村上水軍の武将たちが詠んだ歌も数多く奉納されているんですよ。海賊たちの信仰の場で戦国時代に思いを馳せてみるのもいいかもしれませんね!

大山祇神社
料金:無料
大山祇神社宝物館
料金:大人1,000円、大学・高校800円、中学・小学400円





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3. 向上寺(こうじょうじ) 三重塔

正式名称:曹洞宗 潮音山 向上寺(そうとうしゅう ちょうおんざん こうじょうじ)
村上海賊の本拠地の一つである因島(いんのしま)と大山祇神社がある大三島に挟まれた、生口島(いくちじま)に鎮座する寺院内でひときわ目立つ三重塔。室町時代(1336年〜1573年)の最も美しいものとして認められ、国宝にも指定されています。日本古来の建築様式と中国の様式を見事に融合させた珍しい構造。そして、ぜひ見ておきたいのが「装飾彫刻」です。植物の葉をモチーフにした大胆かつ繊細な彫刻と目が覚めるほどの鮮やかな朱色は圧巻。お寺は公園内にあるため、木々の緑、塔の朱、空の青が絶妙なコントラストを作り出し、まるで絵画のようなすばらしい景色を見ることができます。ぜひ日本の美意識と自然を感じてみてください。





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4. 白滝山(五百羅漢像)

広島県の尾道駅からバスで30分程の距離にある因島で人気のスポット。山を登り山頂に近づくと目に飛び込んでくるのが「五百羅漢像」。儒教、仏教、神道、キリスト教を合わせた一観教の創始者とその弟子たちによってつくられた石仏で、なんとその数約700体!それぞれの表情や姿態が異なるため、一つ一つの物語を考えながら眺めるのもいいですね。そして石仏群を抜けると目の前には、遮るものが何もなく瀬戸内海を360度見渡せる展望台。特におすすめの時間帯は夕方。夕日が海に浮かぶ島々を照らしながら、ゆっくり沈みゆく景色は感動ものです。また、人気はあるものの混雑は少ないため、ゆったりとした空間で、黄金に輝く瀬戸内海を堪能することが可能。春には桜、秋には紅葉も色づくので、この時期に訪れるのもおすすめです。





5. 甘崎城跡(あまざきじょうあと)

大三島の沖合に浮かぶ無人島・古城島は島そのものがお城となっており、日本最古の水軍城として愛媛県の史跡に指定。定期船や橋がなく、普段は足を踏み入れることが困難ですが、年に数回、干潮の時だけ島へ続く道が現れ、歩いて島を目指す史跡ファンでにぎわいます。そして城を守っていた一部の石垣は海の底に残っており、同じく干潮時に突如出現。大小さまざまな大きさの石が横一列にびっしりと並ぶ姿が荘厳で、当時の緊張感を味わうことができますよ。こちらの島を訪れる際は、事前に干潮情報を調べておくことをおすすめします。





いかがでしたか?ご紹介した観光スポットを巡ることで、村上海賊について知れるだけでなく、日本の歴史、宗教感、文化、美意識、自然なども併せて感じることができます。今回ご紹介した古城島を除く島々は「しまなみ海道」という道でつながっています。世界の最もすばらしい7大サイクリングコースにも認定されるほど美しい道なので、自転車をレンタルして観光してみては?



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